フォーラムAWA
2009年11月11日 | 研修会
フォーラムAWA開催
テーマ 「診療室の総合力を高めよう」
日時:2009年11月26日 (木)
会場:油屋美馬館
美馬市穴吹町穴吹字市ノ下100-6
TEL:0883-53-7733
プログラム
9:00~ 受付開始
9:30~9:35 開会の辞 (川原歯科 川原院長)
9:35~9:40 諸注意 (事務局)
9:40~ 講演 (午前の部)
川原歯科医院
9:40~10:10 真の患者利益を提供できる診療室を目指して (川原院長)
10:10~10:25 今までを振り返って(大久保弘恵)
10:25~10:40 川原歯科医院のメディカルトリートメントモデル (藤本恵奈)
10:40~10:55 MTMに基づいたDHスタイル (春日早紀)
(休憩)
11:05~11:20 3年間を振り返って、 そしてこれから・・・(山田沙由梨)
11:20~11:35 データ分析とその有効性 (戸島絢子)
11:35~11:50 地域における小児歯科への期待 (赤栩美穂)
(昼食)
12:40~ 講演 (午後の部)
高田歯科医院
12:40~13:10 医院紹介 (高田院長)
13:10~13:40 TC導入と実際(多田衣里)
13:40~13:55 DH発表 (多田千雅子)
(休憩)
たかせ歯科医院
14:00~14:30 たかせ歯科医院の成り立ちと今後の展望 (高瀬院長)
14:30~14:45 新人歯科衛生士としての想像と現実(金田和美)
14:45~15:00 要介護者の口腔ケア~特別養護老人ホームおおつ苑にて~
(後藤由里子)
(休憩)
こもだ歯科医院
15:10~15:40 医院紹介(薦田院長)
15:40~15:55 受付・DA発表
15:55~16:10 DH発表
16:10~16:25 DT発表
(休憩)
16:30~17:00 質疑応答、 総括(川原院長、高田院長、高瀬院長、薦田院長)
備考)
・ 院長・Dr講演30分、スタッフ講演は15分とします。
・ 講演はすべてPC(Office PowerPoint 2007、 OSはWindows Vista) による発表とさせていただきます。プロジェクターは1台のみの使用です。
・ 発表当日は、講演内容を記録したメディア(CD-RもしくはUSBメモリ)をご持参ください。念のため、 スライド作成に使用したPCをご持参いただくことをお勧めします。データは、当日9:00までにPC係に提出してください。
・ 次演者は、次演者席に着席してください。
抄録
こもだ歯科医院
<歯科医師の抄録>
平成7年7月に開院。 歯科衛生士2名と私のスタッフ3名、チェアー3台でスタート。現在では、チェアーを1台増やし、 歯科医師1名、歯科衛生士4名、歯科技工士1名、歯科助手2名、受付1名、 パート1名の計10名のチームで日々臨床に励んでいます。開業前の大学勤務時には義歯を専門に勉強し、 日本補綴歯科学会専門医と指導医の資格を取得し、その分野を生かした一般歯科治療を行っています。 平成13年10月には医療法人に移行し、地域医療に貢献すべく、 毎年スタッフと共にスローガンを掲げながら患者様と接しています。平成21年はスタッフの提案により「口腔と身体の健康を守る (安心、安全、信頼を守る)」と決めました。日々患者様、スタッフ、家族に感謝し、みんなを守るための思いを発表します。 また、 以下のように、歯科衛生士、歯科技工士、受付・アシストの立場から、チームワークを考えながらの日々の取り組み、そして、 これからの思いを発表します。
<受付・アシストの抄録>
私達、受付・アシストは日々の業務内容を中心に、気をつけている点や工夫している点を含めて発表します。 まず、受付・アシスト共に一日の仕事の流れについて簡単に説明します。 次に受付では、 患者様の予約の管理をパソコンでどのように行っているかを、ある一日を例に取り挙げます。その中でリコール等、 受付が管理している業務を紹介します。アシストでは治療の内容に応じた対応・ 準備物等を説明します。また小児や感染症の患者様への対応の仕方について写真を用いて紹介します。他院様の取り組みを参考に今後の業務に生かしていけたらと考えております。
<歯科衛生士の抄録>
私達歯科衛生士は、こもだ歯科医院での歯周治療の流れ(初診からメインテナンスまで)、小児への対応方法 (年齢別の診療の進め方)について発表します。まず、 初診で来られた方には、自分達で作成したオリジナルの用紙を用いて治療の流れを具体的に説明して、納得して頂いたうえで、 歯周治療を進めています。次に、 小児への対応方法に関して、年齢や、個々の成長に応じた診療室への導入から治療やブラッシングにいたるまでの流れをお話します。 他院でのP治療の取り組み方や、小児への対応方法などを参考にし、更なる向上を図ると共に、 患者様の口腔と身体の健康を守るためにこもだ歯科での取り組みを見直すことができればと考えています。
<技工士の抄録>
この度フォーラムAWAに参加させて頂くにあたり、技工士の発表内容は、
① こもだ歯科での業務内容
② 金属床の症例発表、とくに製作工程(印象から完成まで)
③ こもだ歯科に入社前ならびに現在の心境、今後の目標
について発表します。
これまで技工所に勤務していたため、歯科医院内の取り組みを知りませんでした。技工だけでなく他医院の歯科医師、歯科衛生士、 歯科助手など技工士以外の方の発表を聞き、今後の技工に生かしたいと考えています。
たかせ歯科医院
『新人歯科衛生士としての想像と現実』
たかせ歯科医院 金田和美
この春、専門学校を卒業し、4月から働きはじめて、学生のときに描いていた歯科衛生士像とは少し違い、 学生の時より勉強をたくさんしないといけないと思いました。患者さんからみると私が新人とはわからないので色々不安なこともありますが、 患者さんとコミュニケーションが上手くとれた時や患者さんからお礼を言われると、この仕事について良かったと思います。 自分はまだまだ未熟で勉強しないといけないことが山積みなので、先輩歯科衛生士に教えてもらいながら日々勉強し仕事をしています。 将来は患者さんから信頼され、 Drにも必要とされる歯科衛生士になるように努力していきます。
『要介護者の口腔ケア~特別養護老人ホームおおつ苑にて~』
たかせ歯科医院 後藤由里子
高齢化社会を迎え、急増する要介護高齢者のQOL向上を目指した生活支援が必要となり口腔領域では口腔ケアの実践が重要となっています。 口腔ケアの目的は、口腔内を清潔にするだけでなく口腔内の疾患を予防し、口腔機能を維持することにあります。また、 誤嚥性肺炎などの全身疾患の予防、健康状態の維持・向上にもつながります。居宅や施設、病院では全身的介護・看護が優先され、 口腔ケアは後回しにされがちです。当院では、特養おおつ苑へ訪問し専門的口腔ケアに取り組んでいます。口腔ケアの必要性を、 入所者、家族、職員の方に知っていただくために、勉強会なども実施しています。今後は、 入所者の家族へ向けてのより一層の普及を目的としたわかりやすい資料を作成、配布し啓発活動に取り組んでいきたいと思います。
『たかせ歯科医院の成り立ちと今後の展望』
たかせ歯科医院 高瀬維彦
平成6年5月、 板野郡松茂町に当院は産声を上げました。当時は、隣に山かつもなくて、芋畑が広がっておりました。 スタッフは私と家内、 素人3人の計5人でスタートしました。スタートダッシュが重要と考えて今まで走ってきました。 当院は山崎長郎先生を中心とするSJCDの考え方をできるだけ理解し、実行できるように日々努力(?)致しております。 インターディシプリナリーな関係、 つまりドクターと衛生士そして技工士が同じ目線で1つの症例に取り組み、永続性のある、 患者さんにとって満足できる治療を目指しております。
高田歯科医院
院長の抄録
ヘルスプロモーション型予防歯科に取り組んで3年が過ぎました。その間に私を含め医院・スタッフ・来院者はどう変わったのか、 なぜ変わったのでしょうか。ヘルスプロモーションの考えたかたを基にして自分なりに考えてみました。
多田千雅子(7年目DH)
高田歯科クリニックではみんなで歯周病治療に取り組んでいます。その中で基本治療に良好な反応を示さない方に抗菌療法を併用し良好な経過を示した一例を発表させていただきます。
多田衣里(歯科医師)TCの導入と実際
TC(トリートメントコーディネーター)とは患者さんとの信頼関係を築き、患者さんにとって何が1番生活を豊かにするかを共に考え、 そこに向かって一緒に歩む人の事です。 当院では10月末よりTCを導入しましたがTC業務をおこなったことで学んだこと、 気付いたことについてお話したいと考えています。
川原歯科医院
真の患者利益を提供できる診療室を目指して
川原歯科医院 川原博雄
川原歯科医院では、歯科医療の目的を「人々が生涯にわたり、口腔の健康を維持し、年老いても、食べる楽しみ、 おしゃべりする楽しみを持ち続けること」と捉え、真の患者利益を提供できる、 メインテナンスを中心とした予防型歯科診療所として活動をしています。そのため、診療室の改装を重ね、診療システムを変え、 マネージメントシステムとしてISOを取り入れてきました。1995年の開業から現在までの取り組みについて発表したいと思います。
今までを振り返って。
大久保 弘恵
入局して今年で7年目。治療部のアシスタントを経て、予防部でメインテナンスをしています。 今現在の担当患者は538人、 いろんな患者さんとめぐり合ってきました。メインテナンスを行っていくうえで、 継続して来ていただく事の難しさを日々感じています。今回は長期症例を通じてこの課題を考えようと思います。 先輩衛生士から引き継ぎ、 今も継続して来ていただいている患者さんとのかかわりを振り返りました。その中で、 私自身のことについても見直せることができたと思います。メインテナンスがもっと患者さんの生活に溶け込んでいけるようお手伝いをしていくために、 これからも日々学んでいこうと思います。
川原歯科医院のメディカルトリートメントモデル
成人予防部 藤本恵奈
メディカルトリートメントモデル(MTM) とは、Oral Physicianの診療室で実際に行われている診療の流れを意味します。 イエテボリ大学名誉教授であるB.Krasse氏が歯科医療のあり方を具現化したもので、 「メディカルトリートメントモデルとは、患者の訴えを把握し、必要な検査を行い、疾患の原因を取り除き、症状を軽減させ、 さらに治療結果をモニタリングし、再発予防の所要の処置を講じ続けていくことである」と提唱しています。 当院では、 2006年9月より来院されるすべての患者さんに対して、 MTMを実践してきました。 今回は、症例を通して当院のMTMの流れをご紹介するとともに、 MTMの重要性について発表します。
MTMに基づいたDHスタイル
川原歯科医院 春日早紀
(はじめに)
歯科衛生士とは予防医療を専門とし、口腔内さらには全身へも健康を提供する職種である。
川原歯科医院ではMTM(メデジカルトリートメントモデル)に基づいた歯科医療を行い、 市民への健康観への向上を図ることを目標に活動を行ってきた事を報告する。
(内容)
患者教育として、外部活動として企業への訪問セミナーの実施、高校への啓発活動を行った。
内部活動としては、身内知人への啓発、担当患者への啓発を行い患者自ら広告塔となってもらうよう活動を行った。
(結果)
セミナーや、口コミによる患者の増患、知人患者が来院され、健康観の高い患者の来院が増えてきたと確認された。
(考察・ まとめ)
歯科衛生士として、患者やこれから来院を予想される市民の方へ少しずつであるが、メインテナンスの必要性が定着されつつあることがわかる。
MTMに基づいた予防医療を行い、 患者さんの健康観を上げていくためには歯科衛生士の力量が歯科医院への貢献としても必要であることが示唆される
『3年間を振り返って、そしてこれから・・・』
小児・矯正部 山田沙由梨
歯科衛生士になって、もうすぐ3年が経とうとしています。
2009年10月から15歳までのカリエスフリーを育てていくために、 小児・矯正部を立ち上げ、私もチェアー1台を任せてもらってそのチームの一員として活動をはじめたばかりです。 今までは治療部で主にアシスタントをしていたのですが、これからは私が思う歯科衛生士としての本来の仕事をすることができます。
そこで、一つの区切りとして今までの3年間を振り返り、これからの目標や活動計画についてまとめてみました。
データ分析とその有効性
川原歯科医院 歯科衛生士 戸島絢子
川原歯科医院がメディカルトリートメントモデルを中心とした診療を開始すると同時に患者のデータ管理も行うようになりました。そして、 そのデータからは様々な情報が得られるようになりました。今ではデータをとることの重要性を強く感じています。
私が担当患者をもつようになり約3年が経過します。 この3年間の患者データをもとに現在の私の担当患者数をはじめ様々なデータを抽出し分析を行い、そこから何を得るか、 また得たことをどのように今後に活かしていくかを発表したいと思います。
地域における小児歯科への期待
小児・ 矯正部 赤栩 美穂
[はじめに] 理想的な永久歯列を獲得するためには、予防と矯正が必要不可欠だといわれている。予防アイテムが普及される中、 それらを有効に活用しメンテナンスを行うことがキーポイントとなる。そこで、さらに健康な口腔内の子供を育てるよう、 今日までの業務を振り返り分析した。
[方法] 来院患者におけるカリエスフリー率を分析し、 メンテナンスをしている子供としていない子供の口腔内とをサリバテストを用いて比較した。
[考察] メンテナンスを行ううえで、 モチベーションの継続が必要となる。それにともない、口腔内の変化や身体の成長によりそった予防方法を提供することが大切である。 一人でも多くの人が健康な永久歯列を獲得できるよう、院内だけでなく地域においても、予防を推進していくことが望ましいとい思われる。